和の趣を大切に総檜造りの本格派縁台を心こめて作製しました。
長年大事に使用されてきた縁台が老朽化した為に新しい縁台を作製し、設置する依頼を承りました。
縁台は庭や露地に置いて休憩や夕涼みなどに用いる細長い腰掛のことをいいます。
縁台を置くだけでいつもの場所が心休まる癒しの空間になります。
今回の仕事ではお施主様ご夫婦仲良く縁台で会話を楽しむ姿を想像してはりきって取組ました。
【既存の縁台】
お施主様の親類の方が20年位前に作られた縁台です。
一般の方が作製した縁台の割には出来栄えはかなり良く、テラス屋根下に置いて有った物を新築された住宅に持ってきたようでかなり保存状態はしっかりしていました。
但し、木材に塗布されている塗膜(ペンキ)が剥がれ、デッキ材に上部より釘打ちされているステンレスのスクリュ-釘の緩みがしょうじていました。
塗膜をサンダーで磨いて落とし浸透性保護塗料を塗る事を考慮しましたが、縁台の幅を拡張したいとの意向もありましたので
新たに大工の技術を駆使して和風の縁台の作製取り掛かりました。
先ず各檜材を選別し、目合い・木の反り具合等の曲を見極め使用箇所を決定します。
縁台のデッキ材を木取りバンドソーで部材寸法を整えていきます。
因みに今回の縁台では40×45×500mmを仕上り寸法に設定し、120本必要入数です。
縁台の各部材が木取加工(必要寸面に加工する事)が出来、削り仕上加工に進みます。
自分の身の丈に合った削り台を用意して、削り仕上を効率良く進めていきます。
この研ぎ台にて研いで調整した鉋で削りました。
砥石には鑿・鉋刃の種類によって使い分けるために様々用意する必要があります。
デッキ材が削り加工・面取り加工が終わりました。
木口もしっかりと一枚鉋で削り、角面で面取りしてあります。
縁台を組上げる前に全ての部材に浸透性木材保護塗料を塗ります。
木口までしっかりと2度塗りした部材を乾燥するように積み上げます。
縁台製作といっても本格的に作業するには各刃物の手道具がかなり必要となります。
この部材は縁台の脚と脚固めです。
3セット分あります。
より接合部を強固のものにする為ホゾ加工と渡りアゴの仕口加工をしました。
縁台の見え掛かりの部分に金物(釘・ビス等)が見えないようにする為裏打ちの作業性が、増すように作業台の上に治具を作りました。
作業台上部にデッキ材をスペーサーを飼いながら並べていきます。
今回の目地幅は5mmに設定しました。縁台のW寸法は1800mmです。
デッキ材を並び終え、直ぐ横でデッキ受けの部材を組上げました。
デッキ受け材(框材)をシャクリ加工部位よりビス締めしていきます。
このビス締め部分は後で目板で伏せて隠します。
脚固めの仕口部をより強固にする為に樫の木でつくった栓を使ってボンド併用でホゾ抜け止めの横栓を打ちました。
全てビス締めが終えたら、目板処理をボンド併用で固定していきます。
H350×W1800×D500の縁台を加工組立が終了した様子。
今回のご依頼の設置個所は犬走りの上の為少し低い設定高さとなりました。
全部でW1800のサイズを3台作製している様子です。
完成した縁台を3台並べて現場設置の様子・雰囲気を確認しました。
完成した縁台を下部から見た様子。
見えない部分まで気を使って仕上げています。
犬走りの出寸法に合わせて作製した縁台は無理なく設置個所になじんでいます。
注文作製縁台だから見れる完成度です。
現場に設置した縁台が和調の家屋をより引き立てています。
作製記念に弊社焼印を目立たない部位に押させていただきました。
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